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写真通信 2019.03.14

日々に小さなしあわせを。花を「生ける」暮らしって最高なんです

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こんにちは、o です!

ちらほらと春の便りが届き始めるこの時期。
SNSにも桜やミモザ、梅の花の写真が流れてきて、あたたかく穏やかな気持ちになってほっこりしちゃいます。

通学・通勤途中でも「あ。咲いてる」とちいさな気づきが、ちょっぴり心を豊かにしてくれると思うんです。

なので私は声を大きくして発信したい。
「日常の中にお花があるだけでちょっぴり幸せな気分になれる」ということを。

私が本格的にお花と出会ったのは高校生の頃。
のんびりした部活に入りたいと思って、ひょいっと入部しちゃった先が、華道部でした。いわゆる生け花をする部活です(よく茶道と間違われるので……)。

あまり生け花のことは知らなくて、まぁ生け花なんてレアだから挑戦してみるか、くらいの気持ちで入部したんです。

けれど、やってみたら楽しくて楽しくて。
そこからすっかり生け花の虜になっちゃったんです。

また、わたしの中で生け花に夢中になった理由のひとつに、お花が持つ「儚さ」に惹かれたから、ということが挙げられます。
いつかは枯れてしまう、今しかない「儚さ」を残すにはどうしたら良いのだろう、と考えたとき、たどり着いたのは写真でした。

そこで今回は、お花を生ける楽しさやちょっとしたポイント、完成した作品が上手に見える撮り方のコツなどをお届けしていきます。

古くから受け継がれてきた日本の伝統「生け花」

生け花と言っても、あまりなじみがない方も多いのかなと思います。
そこで、まずはざっくりと生け花について。

まず、お花を花瓶や花器に挿すことを「お花を生ける」と言います。
生け花には、たくさんの流派が存在しています。それぞれ、受け継がれてきた歴史、理念、技法などによって、流派として受け継がれてきました。
流派ごとに基本となる「型」があるため、基本を押さえながら作品を作っていくのです。
代表的な流派としては、「池坊(いけのぼう)」「草月流(そうげつりゅう)」「小原流(おはらりゅう)」が挙げられます。この3つは、三大流派とも呼ばれるほど。

ちなみに私が高校生のときに習っていたいたのは「池坊」。
池坊の中にも3つのスタイルが存在して、それぞれに特徴があります。

まず、1つ目は「立花(りっか)」。
室町時代に成立した最も古い生け方で、いろいろな草木を使用して大自然の風景を表現します。

2つ目は「生花(しょうか)」。
江戸時代に成立した生け方で、1~3種類の少ない花材を使用して、地に根を張り生きる、草木本来の姿を表現します。

これら2つの流派は生けていく型が決まっていて、それに則って作品を仕上げていきます。

3つ目は「自由花(じゆうか)」。
その名の通り、決まった型がなく、自由に生けます。
床の間に置かれるイメージが強い生け花ですが、自由花は現代の生活に合わせて作りあげます。
机の上や、玄関などさまざまなシーンや建築様式に合わせて生けるので、気軽さもあります。

(参照:池坊ホームページ

ちなみに私が高校生のときに生けた作品がこちら。

高校生のときの作品

ちなみにこれは自由花で、器の円形に合わせて生けていきました。
チューリップやカーネーションを中心に置きつつ、アズキヤナギの枝でダイナミックに遊びました。

今回はこの「自由花」に近いものを作っていきます。
近いものと表現したのには訳があって。というのも、今回は上のような芸術っぽい作品ではなくて、もっとフランクに楽しめる方法をご紹介したいなと思っています。机の上にも、玄関にも、ちょこっと置けちゃう作品を作っていきましょう!

たとえば、こんな感じのもの!

昔の作品

ずいぶん昔、花束をもらったときに花瓶に挿すだけじゃもったいないと思ってさくっと生けたときの作品です。

これを「生け花」なんて呼んだら、本家の方々に怒られてしまいそうですが、今回の目標は日常にお花を置いてちょっぴり幸せになることなので気にせずいきましょう(笑)。

いくつかのポイントを押さえて、初めてでも「なんかいい感じ!」になれるように写真たっぷりでお届けしていきますのでどうかご安心を。

では早速始めていきましょう......!
まず生け花をするときに必要な道具はこれ!

生け花に使う道具

左上の白い器は「花器」と呼んでいます。
その下にあるのは剣山で、お花を挿すために必要な道具です。
右はハサミです(説明がなくてもわかりますね)。

ハサミは専用のものではなく、100均やスーパーなどで販売しているキッチンバサミで十分です!
ただし、太めの枝を切るとなったら写真ような生け花用のハサミがあると安心です。

ちなみに、剣山も100均で購入できます(写真の剣山も100均で手に入れました!)。
卓上に置くような小さな作品を作るのには十分です!

花器は水が張れるようなお皿や、写真にもあるような小鉢などでもOKです。
とにかく大切なのは、自分自身がかわいいと思えて、これで作ってみたいと思える器をチョイスすること!



いざ、お花を買って生けてみよう!

さてさて使う道具は揃ったので、次はお花を選びに移ります。

おっと。その前にひとつポイントが……!

それは、「完成形をイメージしてからお花を買ってほしい」ということ。

なぜなら、スムーズにお花を選べるし、生けるときも迷いが少なくなるから。まずはどんな感じに仕上げようか、想像してみることおすすめします!

ただ、この完成形を想像する作業って、初めのうちは一番大変なことも……。
ぱっとお花を見ても、すぐに、「ここを切ってここに生けよう」なんて、全然出てきませんよね……。
私も始めのうちはまったくできませんでした!!!

そんなときに試してみていただきたいのは主役で見せたい花をひとつ決めること。

その花を中心に、脇役の葉っぱ、枝、小さめのお花など、メインをあまり邪魔しないような素材でメインの花の周りを囲ってあげてみると、だんだんとコツがつかめるような気がします。

「メイン1つに、サブ2つ」くらいのバランスが、今回のような小さめの作品を作るときにはもってこい。

ちなみに、メインのお花は季節の代表的な花も良いですね。

たとえば、ひまわり、カーネーション、ガーベラなど、ぱっとみて華やかなものは中心に置きやすいですし、イメージがつきやすくなるはず。メインのお花選びに悩みやすい初期は、華やかなお花からスタートすると良いです。

もし「どうしてもわからない……」となったら、作りたいイメージやメインで用いたいお花などを花屋さんに相談してみましょう。きっと、素敵なアドバイスをくださるはずです!

そして、私がそろえたお花はこちら。

メインのお花

主役はピンクのお花。一緒に付いている蕾も、もちろん使います。蕾は脇役として重要な役割を引き受けてくれます。

脇役のお花たち

脇役がそのほかのお花と葉っぱです。

お花屋さんでおまけしてもらった

(お花屋さんに行ったら「若いのにお花を生けるなんてステキ! おまけしてあげる!」と言って、店員さんがおまけを付けてくださったので、なんだかたくさんありますが……)

ここでポイントがひとつ。

お花や葉っぱには、表と裏があることご存知ですか?
植物は、基本太陽のほうを向いて、太陽のエネルギーをたくさん吸収しながら育つんです。
つまり、太陽のほうを向いている面が表、向いていない面が裏、ということ。

なぜこのような話をしたのかというと、生け花にもこの原則が当てはまるからです。
生け花では、生ける人自身を太陽と見立てて、作品を作り上げていきます。
お花の裏表は、自然のなかで生きる姿を表すことができるので、大切な要素なのです。

ちなみにスイートピーは、表と裏がわかりやすいお花なので、こちらで簡単に解説を挟んでみます。

表はこの面

お花の表

裏はこの面

お花の裏

花びらが向いてる方向の感覚、なんとなくお分かりいただけましたか……?

この表と裏を見定めたところで、表をなるべく見せるようにして配置すると、完成したときにもきれいに見えます。

では、生けていきましょう!!
まず、花器に剣山をいれて水を張ります。水量は、剣山が隠れる程度。

剣山が隠れる程度とは?

そのあと、まだお花は切らずに、主役のお花の高さを決めます。

お花の高さを決める

使う花器にもよるのですが、あまりに主役の高さが高すぎると収まりが悪く見えることがあります。
高さを決めたら茎のところを少しだけ斜めに切り、剣山に挿していきます。
(※斜めに切ると、茎からの水上げが良いとされているため)

また、枝など固い素材を剣山に挿す場合は、十字の切り込みを入れてあげると差し込みやすいです。

脇役で彩る

主役のお花を剣山の中心近くに挿したら、あとは脇役のお花たちで主役を輝かせてあげましょう。

蕾も使う

ここで出てきました、蕾。
少しだけ空間を埋めたいときにとっても便利なんです。

葉っぱは、大きいほうではなく、ピンクのお花に付いていた小さなほうを使うことに。(大きな葉っぱはまたあとで登場します)

ちなみに、いくつか枝分かれしているお花を購入した場合は、こんなふうに分岐点で切断すると、残りも後から使えます。

枝分かれのお花を有効活用する方法

この技は覚えておくと結構便利です!

サイドにもボリュームを

このように、サイドにも彩りとボリュームを足してあげて……。

また、剣山が見えないように、前部にもお花をあしらいます。

作っている様子01

作っている様子02

こんな感じで、いろいろ悩みつつ、「ここに入れよう。ここいらないなぁ」などと言いながら、あれこれ作っていきます。

そうしているうちに完成したものがこちら。

生け花が完成!

うん。かわいい。幸せ。

少し長くなってしまいましたが、完成したので、さくっと復習です!


  1. まず、主役のお花を生けます。

  2. 主役や周りの素材とのバランスを見ながら、がんがん生けていきます。このとき、蕾、葉っぱ、主役より小さなお花などを使うとバランス良く仕上がります。

  3. 剣山が隠れるように、手前側にも忘れずに生けます。

  4. バランスを整えて完成!!!

そしてそして、材料が余ってしまったのでもうひとつ作っちゃいました。

もうひとつの生け花

1つ目の作品がシンプルだったので、反動で少しだけ豪華になってしまいました(笑)。ただ、作業や手順自体はまったく同じです。

それと、もし剣山が見せたくないときには、下の写真ようなキラキラを入れてあげたり、石ころを入れたりしてみるもの良いです!

キラキラ小物

冒頭に例としてご紹介した作品でも、このキラキラを使用しています。

キラキラを利用した写真

こうすることで、一気にインテリア感も出たり。



完成した作品を素敵に撮るコツ

さて、作品が完成したらぜひ写真を撮ってほしいなと思うんです。
それは私が写真がとんでもなく好きだから……も、あるのですが、もっとちゃんとした理由があります。

1つ目は、
お花はいきものであるから。

2つ目は、
写真に残すことで思い出にもなるし、成長がわかるから。

お花はいきものである。なんて、普段あらためて思うことは少ないと思うのですが、今回のように生きている花を買って、家に置いておくと、「いきもの」であることがひしひしと伝わってきます。

「いつかは枯れてしまう。」

この儚さが、私が生きた花に惹かれるひとつの理由であったりもします。
だからこそ、撮って残してほしいんです。この儚さと、完成したときの達成感や幸せを。

花の儚さ

始めたばかりのときはあまりうまくいかなくても、それはそれで良い思い出ですし、いつか写真として見返したときには当時の気持ちがふとよみがえるはず。

私も、初めて生け花に挑戦したときは、全然上手にできませんでした。
だけど、写真を見返すたびに、苦戦したときのことや達成感などを思い出します。だからこそ、ぜひ写真を残してほしいです。

それでは、どんな風に写真を撮ったらいいのだろう、となりますよね。

ここからは、撮影時のちょっとしたコツと、作例をいくつかご紹介します。

まず写真を撮る前に意識したいことは、全部でふたつ。

1つ目は「撮る環境を整えてあげること」です。
構図の中に、余計なものは写っていないか、ゴミは写り込んでいないか、などを確認します。
背景に余計なものが入らないだけで、ぐっと被写体が目立つようになるからです。

たとえば、この2枚の写真。

2枚の写真

余計なものが写っていないだけで、目線が吸い込まれるように自然と被写体へ移るため、見る人に伝わる印象も違うと思います。

そして、2つ目のコツは「作品の裏表を意識する」こと。
一番きれいに見える角度、すなわち、表側で撮る。

作っている段階で、自分自身を太陽としてお花を生けているので、生けた方向から撮ってあげると正面に表側が向きます。上の写真は、どちらも表側から撮影しています。

それから、以下の3つは、写真に慣れてきてから意識すると良いかなと思うポイントです。

1つ目「光をうまく使ってあげる」
2つ目「小物や使ったものをちょこんと置いてあげる」
3つ目「構図を意識する」

これらを意識して撮った写真がこちら。

光が差し込む

いい光が差し込んでくれたんです……!
ナイス〜〜〜〜!!

また、構図は日の丸構図を使って撮っています! 構図についてもっと知りたい方はこちらから!

関連記事:[保存版]写真始めたてのかた必見!初心者が最初におさえておくべき構図9選

ちなみに使っているレンズは「OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」。換算約50mmのレンズです。
背景がよくボケてくれるので作品撮りをするにはもってこいです。
単焦点レンズについてもっと知りたい方はこちらから!

関連記事:距離感で選ぼう。初めての単焦点。焦点距離の選び方!



日常をちょっぴり華やかに彩ってくれるお花。ぜひみなさんも挑戦してみては?

私は生け花に出会ってから、美しいものを美しいと思えたり、自分を表現する楽しさを知ったりと、自分の中の世界が少しだけ広がりました。

作品を作る上で、おそらく、「こういう風に作品を作りたい!!」と、想像出来るようになるまでには、経験が必要だと思います。ただ、今回の記事がもしも生け花を楽しむ上でなんらかの参考になってくれたら嬉しいです。

そして、生きた花のもろさや儚さとか、そういうものも感じていただけたのなら、これもまた嬉しいです。

忙しない日々の中、お花が少しでもみなさまの癒しや、幸せとなりますように。

キーワード

  • 花のある暮らし

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