
こんにちは、こん。です!
みなさん新生活はいかがお過ごしですか?
きっと仕事や学校にと大忙しなこの季節ですが、趣味の時間も大事にしたいですよね。
僕も休日はカメラと数本のレンズを鞄に詰め込みしっかり写真を撮っています。息抜きも大切です。
ただ、レンズを複数本持ち歩くととても重い。毎回肩がこりそうになります。
以前からPhotoliでお伝えしているように、単焦点レンズにはすばらしい魅力があり、僕もよく単焦点レンズを使用しています。
関連記事:撮るのが楽しくてたまらなくなる!初心者さんに向ける「単焦点レンズのススメ」
ただ、焦点距離ごとにレンズを変えなければいけないため、必然的に持ち歩くレンズの本数が増えてしまうのです。そして複数本揃えるまでにコストもかかります……。
そんな「1本で何でも撮れて単焦点レンズのように写りが良いレンズはないのか!」「コスト的に複数本揃えるのはきつい」「究極の1本だけを教えて欲しい!」なんて方におすすめしたいのが「SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」というレンズ。
今回はこのレンズについてお話します。
単焦点レンズは、ズームはできないがボケ感の得られるレンズ
単焦点レンズとズームレンズの違いはなにか。
先ほどの関連記事でも解説しているため、すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、改めて。単焦点レンズとは、ズームができないレンズのことです。
ひとつの焦点距離に特化したレンズであり、その画角で高い描写力を誇ります。
また、ズームレンズに比べて単焦点レンズでは内部に使用しているガラスの枚数が少ないため、光をたくさん取り込めます。F値を低く設定できるため、ズームレンズよりもボケ感を得やすいのです。
こちらは、キヤノンの単焦点レンズ「EF50mm F1.8 STM」で撮影した写真。ズームができない分、繊細な描写をするのが単焦点レンズの特徴です。
一方、今回ご紹介する「SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」はズームレンズ。
ズームレンズなので、当然この1本である程度の画角はカバーできます。ただ、今回なぜこのズームレンズをおすすめするのか。
単焦点レンズとズームレンズの違いを踏まえた上で、その魅力をたっぷりお伝えします。
「SIGMA 17-50mm F2.8EX DC OS HSM」の魅力
ところで、みなさんはレンズに付けられた名称の意味を知っていますか?
数字と英語が組み合わさった複雑な名称ですが、これにはしっかり意味があるのです。
英語の羅列はひとつの単語になっており、メーカーによって表記が異なります。今回はシグマ製のレンズですが、その意味を確認すると……
- SIGMA:メーカー名
- 17-50mm:焦点距離(ズーム域)
- F2.8:F値
- EX:ズーム全域F値固定
- DC:APS-C専用(フルサイズ非対応)
- OS:手ブレ補正搭載
- HSM:高速AFモーター搭載
このようになります。
この意味を知っていれば、レンズの特徴はだいたい理解できてしまいます。
それでは、これらを踏まえて魅力をご紹介していきますね。
①明るいズームレンズ!全域F2.8通し
順番が前後してしまいますが、最初にこのレンズのF値についてお話します。
おそらくみなさんが最初に手にするであろう各メーカーのキットレンズのF値は、F3.5-5.6であることが多いです。
これは一番広角側の焦点距離で最小F3.5、一番望遠側の焦点距離で最小F5.6であることを意味します。
最初は僕もキットレンズで撮影をしていたのですが、ズームをすることでF値が自動的に変動してしまうので、マニュアルモードや絞り優先モードでF値を低く設定して撮影する場合にとても不便と感じていました……。
一方、このレンズではズーム全域でF値を固定できます。つまり、どれだけズームをしてもF値が自動的に変動することはありません。
マニュアルモードや絞り優先モードで撮影する場合に、設定したF値通りで撮影できるためとても便利なのです。
そして、もうひとつ注目すべきポイントはそのF値。
なんと、このレンズ、ズームレンズにして、最小F2.8まで設定できます!!
ズームレンズは、構造上ガラスの枚数が多くなってしまうのですが、F2.8まで設定することができるのは本当にすごいです。
そして、F2.8というF値の低さでは、キットレンズと比べて強烈なボケ感が得られるので一気に写真が楽しくなります(笑)。
これらは絞り解放のF2.8で撮影した写真。
ズームレンズなのに本当によくボケるのでとても楽しい……。
それと、絞り解放で撮影するとレンズ内部の構造上、画質が落ちやすい傾向にあるのですが、劣化が少く綺麗な描写をしていることにも感動。
これはシグマというメーカーの特徴でもあるのですが、シグマのレンズは全体的に写りが良く、絞り解放でもキレッキレな描写を届けてくれるんです。
僕はシグマのこの写りがたまらなく好きで、キヤノンのボディにシグマ製のレンズを付けることが多いです。
これがこのレンズの一番の強みであり、単焦点レンズの魅力にも引けを取らないと感じられるポイントです。このレンズではズームができるため、複数本の単焦点レンズをひとつにまとめたような感覚に陥るんです。まさに夢のレンズ。
ではでは、さらにその魅力をお伝えしていきます。
②17mmから50mmまでをカバーする3倍ズーム
各メーカーのキットレンズは18-55mmの3倍ズームであることが多いですが、このレンズは広角側が1mm広い特徴があります。
「わずか1mmの差」と思うかもしれませんが、広角側の1mmの差は、望遠側の1mmの差よりも大きいのです。
18mmよりもダイナミックに写される世界にうっとり……。やはり広角側の1mmは大切であると改めて感じます。
また、このレンズはAPS-C専用レンズであるため、望遠側の50mmではフルサイズ換算75mm(キヤノンの場合80mm)の中望遠です。
中望遠では撮影するときに威圧感を与えないほどよい距離感を保てるので、ポートレート撮影に最適。被写体の自然な表情を引き出すことができるので、それだけでポートレートの腕が上がったような感覚に陥ります。
そして、F2.8というF値の低さに加えて、レンズの望遠側で撮影しているため、写真の手前と奥がよくボケてプロっぽさが生まれるのです!(笑)
また、日常の一部を切り取ったような写真を撮れるのも中望遠の良いところ。室内に限らず屋外のスナップ撮影まで幅広く対応できます!
日常の撮影では中望遠までの距離感があれば十分。望遠側が50mmでも不便はなく、撮影で困ったことはありません。
③4段の強力な手ブレ補正搭載
みなさんは「段」をご存知ですか?
段とは、シャッタースピード、絞り、ISO感度の露出に用いる単位で、法則のように決められています。
シャッタースピードの場合、
1秒→1/2秒→1/4秒→1/8秒→1/15秒→1/30秒→1/60秒→1/125秒→1/250秒→1/500秒→1/1000秒→1/2000秒→1/4000秒→1/8000秒
と、1段の変化はこのように決められており、シャッタースピードが1/125秒から1/60秒に変化することを「1段遅くなる」、1/500秒から1/2000秒に変化することを「2段早くなる」と呼びます。
そして、このレンズには4段の強力な手ブレ補正が搭載されています。
つまり、1/60秒を下回ると手ブレが発生する場合でも、それより4段遅い1/4秒まで手ブレを補正してくれるのです(すごい!)。
これはシャッタースピードを抑えて絞りたい場合や、画質を劣化させないように低いISO感度で撮影したい場合に非常に便利なポイントで僕自身かなり救われました……。
ただし、シャッタースピードとブレは必ずしも比例しないため注意が必要です。
いくらシャッタースピードが早くても、カメラを持つ手の揺れが大きければブレは大きくなるので、カメラをしっかりホールドすることが大切です。
④ズーム全域28cmの最短撮影距離
このレンズ、なんと、寄ることもできるのです!!
ズーム全域で28cmまで寄って撮影できます。
つまり、換算75mm(キヤノンの場合80mm)の中望遠でも28cmまで寄ることができるのです。
すると……
このくらいの大きさのハーバリウムが……
このくらいの大きさに!!
中望遠で最短撮影距離まで寄るとここまで被写体を大きく写すことができます。そして、寄れる分ボケます。加えてF2.8(n度目)。
これが単焦点レンズと比較しても遜色(そんしょく)のないボケ感を生むのです。撮影していて本当に楽しい(n度目)。
⑤明るいズームレンズにしては軽量&コンパクト
全域F2.8通しの明るいズームレンズは、高性能なだけあってレンズが重く大きくなりがちです。
しかし、このレンズは重量565g、全長91.8mmと、明るいズームレンズにしては軽量でコンパクトなサイズを実現しています。
男性の片手でギリギリ収まるサイズ感。
キットレンズや単焦点レンズと比較すると重くて大きいと感じてしまうかもしれませんが、このサイズ感のおかげでカメラをホールドしやすくなったので僕にとってはちょうど良かったです。
⑥さまざまなメーカーのマウントに対応
シグマ製のレンズは、純正の製品に対して「サードパーティ製」と呼ばれます。
メーカーの純正レンズは他のメーカーで使用することができませんが、サードパーティ製のレンズはさまざまなメーカーで使用できます。
つまり「キヤノンユーザーだから使えない」「ニコンユーザーだから使えない」なんてことがありません。
このレンズの場合はシグマ・キヤノン・ニコン・ペンタックスの一眼レフ、そしてソニーのマウントに対応しています。現在使用しているカメラのマウントを確認した上で、ご使用くださいね!
⑦衝撃の低価格
さあみなさん、そろそろこのレンズが欲しいと思っている頃でしょうが気になるのはそのお値段。
「これだけ高性能なレンズ、きっとお高いんじゃ……?」
あなたの心の中で叫ぶ不安な声が聞こえてきます。
ですが、ご安心ください。
なんと「3万円でお釣りがきます!!」(衝撃!!)
製造がやや古いことやAPS-C専用であることなどから、現在Amazonではキヤノン用のレンズがおよそ27,000円で購入できてしまうのです(4月21日現在)。
何度でも言います。
「SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」は、高性能でありながらコストパフォーマンスに優れた、究極のズームレンズなのです!
(絶対に損はないので買うべきですよ……! おすすめですよ……!)
購入前に確認しておきたいポイント
実に優秀な「SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」ですが、当然すべてが完璧なわけではありません。購入の前には以下のポイントも確認しておきましょう。
①フルサイズ非対応
このレンズはAPS-C専用であるため、フルサイズのカメラでは使用できません。また、一眼レフ用のレンズであるため、ミラーレスのカメラでも使用できません。
今回紹介しているレンズはAPS-C専用ですが、シグマではフルサイズに対応した同スペックのレンズも発売しています。
こちらは現在シグマが発売しているArtライン(高級レンズ)に属する最近発売したばかりのモデルで、今回ご紹介しているレンズの上位版にあたります。
APS-C専用であるこのレンズよりも重さ、大きさ、価格などが増しますが、フルサイズをご利用の方はこちらもぜひ……!
②フルタイムマニュアル非対応
このレンズの惜しいところなのですが、フルタイムマニュアルに対応していません。
オートフォーカスで撮影する場合、ピントリングが固定されて手動で回すことができなくなってしまいます。そのため、オートフォーカスでわずかにズレたピントを手動で微調整することができず、たまにストレスを感じてしまうことも……。
手間になってしまうのですが、手動でピントリングを回す場合にはレンズ横にあるスイッチでオートフォーカスからマニュアルフォーカスに切り替える必要があります。
③動画撮影には不向き
このレンズにはHSMという高速オートフォーカスを可能にするモーターが搭載されているのですが、このモーターの駆動音がやや大きめです。
そのため、オートフォーカスで動画を撮影するとモーターの駆動音をカメラがすべて拾ってしまうのです……。
また、レンズの製造がやや古いこともあり、オートフォーカスは格別早いわけではありません。
決して遅いわけではないのですが、やや迷うことも多く、ガッツリ動くものを撮影したい場合には不向きかもしれません。
④やはり単焦点レンズには劣る部分がある
単焦点レンズはその画角に特化したレンズであるため、広域をカバーするズームレンズでは埋められない差があります(そうでなければ単焦点レンズの存在意義がなくなってしまいますしね!)。
「SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」は最小F2.8ですが、単焦点レンズではその上をいくF1.8やF1.4の世界が広がっています。
単焦点レンズで得られるボケ感はやっぱり素晴らしいですし、ボケ感だけでなく解像度や描写の繊細さにも差が表れます。
一般に、レンズは描写を重視すれば利便性が落ち、利便性を重視すれば描写が落ちる傾向にあるため、その両方を獲得することは難しいです。
そんな中「SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」はズームを可能にしながらも、単焦点レンズに近いF値の低さや繊細な描写を実現したレンズなのです。
描写と利便性を兼ねた万能なレンズ
ズームレンズでありながら単焦点レンズのような描写を兼ねた万能なレンズ。
コストパフォーマンスにも優れ、この1本で撮れないものはないといっても過言ではありません。写真が楽しくなること間違いなしです!!
レンズ沼にハマり生活が破綻してしまう前に、ぜひこの1本を手に取って順風満帆な写真生活を送ってみてください♪
それではみなさん! ごきげんよう~!
肩こりには気を付けてね|ω・)
使用したカメラ
SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM
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