
こんにちは、sia.です!
突然ですが「CONTAX Carl Zeiss Planar 1.4/50」というレンズをご存じでしょうか?
いわゆるオールドレンズと呼ばれるレンズで、標準レンズの帝王や空気を写すレンズと呼ばれるほど、不動の人気を誇ります。
かくいう私自身もその魅力の虜になっており、日頃使っているレンズの中でも一番のお気に入り。
今回はそんなCONTAX Carl Zeiss Planar 1.4/50の魅力をご紹介したいと思います。
「オールドレンズを購入したいけれど、どれが良いの?」と感じている方の選択肢のひとつになれば嬉しいです。
01空気を写し出すレンズ、CONTAX Carl Zeiss Planar 1.4/50との馴れ初め
02CONTAX Carl Zeiss Planar 1.4/50の魅力
02-1魅力①:明るいレンズ!
02-2魅力②:小さい!軽い!
02-3魅力③:かわいい手裏剣ボケ!
02-4魅力④:上品なゴースト!
02-5魅力⑤:逆光での柔らかいフレア!
02-7他にもいろいろあるよ、CONTAX Carl Zeiss Planar 1.4/50の魅力
03CONTAX Carl Zeiss Planar 1.4/50 購入時の注意点
03-2注意点②:使用するボディによって焦点距離が変わります!
空気を写し出すレンズ、CONTAX Carl Zeiss Planar 1.4/50との馴れ初め
私が初めてCONTAX Planar 1.4/50と出会ったのは、2018年の春でした。
というのも、私は、元々所持していたCONTAX Planar 85mmの、ピント面から緩やかにとろけるような描写が大好きでした。
しかしながら、元々広角レンズが好きだった私には85mmという画角が狭いと感じるようになり、「もっと画角が広いPlanarみたいなレンズはいねぇか?」とナマハゲのように探していたんです。
そして、出会いました。CONTAX Planar 1.4/50に。見つけた瞬間、私の指は「購入」ボタンに吸い込まれていきました。作例すら見ていません(とても頭が悪いです)。
Planar 85mmのとろけるような描写を期待していた私が、初めてPlanar 1.4/50を使用したときの印象は、「案外普通のレンズなのかな?」というものでした。
しかし、使用回数を増すにつれ、Planar 1.4/50が「標準レンズの帝王」と呼ばれる理由をヒシヒシと感じ始めました。それを強く感じたのが、下に乗せている写真を撮影したときです。
この2枚は、どちらも編集をしていない、いわゆる“撮って出し”の写真です。
- ピント面から滑らかに溶けるボケ味
- 空気感の伝わる描写
- 落ち着きのある軟調なコントラスト
どれを取っても私好みの描写でした。
これらの写真を撮ったとき、このレンズは光を上手く捉えることで魅力を増すレンズだと感じ、それ以来、私の愛用レンズのひとつとなったのです。
CONTAX Carl Zeiss Planar 1.4/50の魅力
ここからは、CONTAX Planar 1.4/50の魅力にまんまとハマった私が、このレンズの魅力をとことんお伝えしていきます。
オールドレンズの描写は癖があるため、その描写から受ける感じ方も人それぞれのはず。
ここからお届けする魅力では「そういう意見もあるんだ」くらいの気持ちで見ていただけたら幸いです。それでは、さっそく。
魅力①:明るいレンズ!
CONTAX Planar 50mmには、F値が1.4、1.7の2種類があります。
どちらもF値が1.8を切るレンズで、標準域のレンズでありながら大きなボケ感を得ることができます。
そのためポートレートのように、被写体を浮かび上がらせるような作品撮りにもおすすめです。
<レタッチなし>
このピント面からとろけるようなボケ感。美しくないですか?
ちなみにこれは解放ではなくて少し絞っているので、もっともっとぼかすことができます。
<レタッチあり>
実際に見たときの印象の色と光に合わせてレタッチしています。Planarで撮った写真は、レタッチなしの段階でも、すでに自分の目で見た印象に近いので大好きです。
F1.4と明るいレンズなので、暗いところでの撮影も得意です!
<レタッチなし>
この記事を書いていて改めて「レタッチなしでこんなに柔らかい描写をするの!? 最高だな!?」と思いました(小並感)。
魅力②:小さい! 軽い!
私はソニーのフルサイズ機を使用しているのですが、F1.4を始めとしたF値が低い現行レンズは、非常に重くて大きいものが多いです。
たとえば、ソニーが販売している現行レンズのPlanar 50/1.4は重量が778gもあります。
CONTAX Planar 1.4/50は275g程度ですから、1/3以下の重さ。現行レンズは、500mlペットボトルに入った飲み物より重いですからね! 非力なsia.は持てません!(嘘)
日常のふとした瞬間を切り取りたいと思っている私にとって、この重量差は携帯性に大きく関わるため、重要なポイントです。
現行レンズを持っていないので比較はできませんが、CONTAX Planar 50/1.4はこれくらいの大きさです。マウントアダプターがついているので少し長く見えますね。
実は、Planar以外であれば、これよりも小さいF1.4のレンズもあるのですが、フォーカスが合わせにくかったり、被写体に寄れなかったりと少し使いにくい印象を受けました。個人的には、これくらいの大きさが好みだったりします。
魅力③:かわいい手裏剣ボケ!
これは作例を見てもらったほうが伝わるかと思うので、作例ばーん!!!!!
ボケの形に注目してみてください! 珍しい形ですよね? これは、通称手裏剣ボケと呼ばれるボケです。
現行レンズでは、綺麗な円形のボケがほとんどなので、このオールドレンズらしさが溢れる六角形で少し歪(いびつ)なボケが愛おしいです。
ちなみにこの手裏剣ボケが出るのは、CONTAX Planar 1.4/50の中でも先に発売されたAEGという型だけですので、ご購入の際にはご注意を!(※MMJという後発の型ではギザギザのない六角形のボケが出ます)
魅力④:上品なゴースト!
他のオールドレンズと同様、CONTAX Planar 1.4/50でもゴーストが出ます!
虹色の上品なゴーストですね。
元々、ゴーストを出したくてオールドレンズを手に入れたので、最初はゴーストを出すことばかりに必死になっていました(笑)。
ちなみに、ゴーストの出し方はこちらの記事を参考にしてみてください!
ゴーストの出方には個体差があるので、どの個体でも作例のようにが出るとは限りませんのでご注意ください! この個体差も、オールドレンズの魅力のひとつです。
魅力⑤:逆光での柔らかいフレア!
CONTAX Planarの魅力のひとつに、逆光でのフレアがあります。おそらくこれは、現行レンズのパキっとした描写が好きな方にとっては、デメリットかもしれません。
しかし!!! 私にとっては!!! 大好物です!!!
フレアとは、この写真のように白くモヤがかかったように見える現象です。
CONTAX Planar 1.4/50はこのモヤのかかり具合が絶妙だと思っています。常に想像を超えるような美しい描写です。
「空気を写し出すレンズ」と呼ばれる理由は、この描写も関係しているように思います。私はこのフレアも大好きです。
魅力⑥:絶妙なシャドウの浮き具合と解像感
画面内に光がある場所でのシャドウの浮き具合と解像感のバランスが絶妙!
シャドウが暗くなりすぎずに光が柔らかく入るところや、ハッキリしすぎない解像感は、フィルム風レタッチとの相性が良いと思います。
他にもいろいろあるよ、CONTAX Carl Zeiss Planar 1.4/50の魅力
これまで、Planarのとくに気に入っている部分についてお伝えしてきましたが、他にも好きなところはたくさんあります! まだまだ語っていくので、あと少し付いてきてくださいね!
◎ 見た目がかわいい(独断)
完全に好みの話ですが、ほどよくレトロっぽくてメカニカルなPlanarの見た目が好きです。少しだけ丸みを帯びた数字の字体も好みです。
◎ 絞りリングのクリック感がたまらない
ぜひ手で触れて感じてほしいのですが、使用感がものすごく心地良いです。
絞りのリングはカチカチと、程よい力で回ります。古い時代のレンズでこんなに精巧に作られているのはすごい! 操作していてテンションが上がります!!
◎ ピントリングがスムーズで心地よい
絞りリングのクリック感同様、ピントリングのスムーズな操作性も好きです。ほどよい重さがあるため、回しすぎることがなく、F1.4と浅いピント面ながらも、ピントが合わせやすいです!
◎ CONTAXのフィルムカメラにも付けられる
当然といえば当然なのですが、CONTAX製のフィルムカメラでも使用することができます。
CONTAXのフィルムカメラといえば、Photoliで以前取材させていただいた岩倉しおりさんが愛用しているCONTAX ariaが人気ですね。
私もCONTAX ariaを所有しているのですが、デジタルにつけて使うのとではまた違った味があります。
デジタルだけでなく人気のフィルムカメラでも使える、いわば「一度で二度おいしいレンズ」なのです。
関連記事:「光や音、空気まで写したい。」写真家岩倉しおりが写真を撮り続ける理由。
CONTAX Carl Zeiss Planar 1.4/50 購入時の注意点
注意点①:使用にはマウントアダプターが必要です!
ミラーレス一眼でこのレンズを使用するには、マウントアダプターが必要なので注意してください!
ちなみに「どのマウントアダプターを使えばいいかわからないよ!」ってときは、Googleの検索バーに、[自分が使用しているカメラのマウント Y/Cマウント アダプター]と入力して検索するとヒットするはずです。
ちなみに、私が使っているソニーのミラーレスで調べる場合の検索ワードは[Eマウント Y/Cマウント アダプター]です!
注意点②:使用するボディによって焦点距離が変わります!
今回の記事では、フルサイズ機を使用した作例を載せています。そのため、35mm換算で50mmの焦点距離となっています。
このレンズをAPS-C機で使用した場合は、換算75mm程度のやや望遠寄りのレンズとなり、ゴーストなどの描写も変わる可能性があります。
購入前にはしっかりと試し撮りすることをおすすめします!
注意点③:オートフォーカスは使用できません!
今回ご紹介したレンズは、マニュアルフォーカスレンズなので、ピントを自動で合わせるオートフォーカスは使用できません。
ただ、個人的にはオートフォーカスよりもマニュアルフォーカスのほうが使いやすく、使っていて楽しいので好きです(照)。
ぜひ一度、自分の手で触れて、使ってみてください
CONTAX Planar 1.4/50の魅力、伝わりましたでしょうか?
このレンズは比較的素直な描写が得意なので、他の有名なオールドレンズで見られるような“ぐるぐるボケ”や“バブルボケ”、“派手なゴースト”などの尖った特徴はありません。
ただ、使えば使うほど、今回ご紹介したような細やかな魅力に気づかされるレンズだと思います。
とくに今回の記事でも触れたフレアやゴースト、光のボケ感など、光のある場所での描写は非常に魅力的だと思いますので、ぜひ晴れた日の陽が傾いた時間帯に使ってみてください!!
それでは!
購入情報
レンズ名 | CONTAX Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 |
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購入先 | メルカリ |
購入価格 | 3万円 |
使用したカメラ
CONTAX Carl Zeiss Planar 50mm F1.4
キーワード
- オールドレンズ
- レンズ